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過去の作品を紹介します。その1
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2003年8月1日沖縄県の孤島、南大東島を初めて訪れました。ビジターセンターのインターンシップの名目でしたが、着いたその日に館長(当時)の東さん達から「センターの手伝いは何もしなくていい。自分のテーマでこの島をつきつめて、いつか島にかえしてくれたら!」と言われ、私は島の’音’にひかれ音集めに没頭し、濃〜い2か月間の滞在を終えました。そして、再び訪れた2004年秋、島の人達の協力のもと、「南大東島音たまり」を作ることになったのです。
①島の音集めインタビュー
「南大東島でどんな音が好きですか?」「嫌いな音は何ですか?」「今は聴こえなくなったなつかしい音は何ですか?」
こども達とお宅やお店に訪問、突撃インタビュー!
島の大人50人から音集めをしました。
②録音
レコーダーを持って島の行事や夜の森や海へ、「今や!今!」というタイミングで出かけます! ↓は旧盆に踊るエイサー
自分で気になった音を録り始める子もいました。気づくと、私の真似をして「ピーサーはぴーぴーと鳴くので『 ピーサー』と言います」と、自分なりに解説の声を入れていたり!
③音の絵かき
台風後の波を見に西港へ!こわいけど〜こわいけど〜、目を閉じて、音をきいて絵をかいてみます。
④島の地図を描く
⑤地図に貼るスポットや生き物の絵を描く
「僕はサトウキビ畑をかく!」
「僕はダイトウオオコウモリにする!」と担当を決めたらまず下絵。
ビロウの木、ヤモリ、チョウチョウ魚、ダボハゼに ナキオカヤドカリ…みんな上手やなあ!
島の大人も手伝いに来てくれました。
⑤お披露目
23個の音を再生したり、ぶら下がっているカードをめくると「いつ、どこで、どんな風にきこえる島の人のエピソード」を知れる「南大東島音たまり」が出来上がりました。
2005年10月22日、島のイベント「産業祭り」でお披露目です。こども〜おじいちゃんおばあちゃんまでいろーんな島の人が音のバーコードをなぞって聴いてくれました。
中には、「えっ!?ダイトウコノハズク(ふくろう)のメスってこんな声するの!森でないているのは猫だと思ってた〜」ってな発見も。
私のおすすめは、「僕の好きな音は海にとびこむ音だ!」と教えてくれて、直ぐさま塩屋海岸に向い、3人の男の子が天然のプールにじゃっぼーーん!と勢いよくとびこんだ音です。
その後、南大東島の旧空港にあるビジターセンター「南大東まるごと館」で常設されました。
制作してから、12年の月日が経ちました。
今も島まるごと館に、この展示があります。
音のバーコードが劣化したものは私が島に行った時に貼りかえ、今でも音が聴けます。
あの時のこども達もプラス12歳。島の子達は中学校までしか島にないので、卒業を機に島を出ます。そのうちの一人が島に昨年、就職で帰ってきました。
彼女にとっては、なつかしい音になっていることでしょう。
もし南大東島にいかれたらぜひ、聴いてみて下さい。